秒速5センチメートル

  • 2008.11.14 Friday
  • 00:08
新海誠監督の映画、
「秒速5センチメートル(2007年)」を観た。
秒速5センチメートル
主人公である一人の少年を軸にした3部作。

タイトルにもなっている「秒速5センチメートル」とは、
「さくらの花が落ちるスピードの事。
物理的な速度や人の心が他人と近づく速度など、
映画全体がスピードや時の流れをテーマとしている
切ないラブストーリーだ。

無駄に間があったり、贅沢な時間の流れだとか
空間の広がりを感じる背景(風景)の美しさや
映画全体の雰囲気はとても良い。

デビュー作の「ほしのこえ」では
Macたった1台でフルデジタルアニメーションを作成したという。
今回の作品はそれよりも手を抜いたと言っていたが、
クオリティーは充分高いと思う。

心が少し温かくなる映画だった。


フリージア

  • 2008.11.10 Monday
  • 02:06
熊切和嘉監督の映画
「フリージア(2006年)」を観た。
フリージア
犯罪被害者遺族が加害者に復讐できる法律「敵討ち法」が
成立している架空の日本のお話。

松本次郎原作の漫画「フリージア」を
かなり高評価している私なので、
ずっと観てみたいとは思っていた。

結論から言うと、全く違う。
別物と考えた方がいいかも。
原作は、もっとエログロナンセンスで、
すべてのキャラが狂っている。
絵も汚いが、独特の雰囲気でむしろこれで良し、
とできる位の圧倒されるものがある。

映画はといえば、103分の中で、完結させるための
別ストーリーを作ってあるようだった。
雰囲気、ストーリー共に不満が残る。

しいて言えば、玉山鉄二扮する主人公、叶ヒロシの
無感情・無表情さは、原作に忠実で映画の雰囲気に合ってる。
(もう少し、狂った感じがほしかったが・・・)
あと、エンディングのcharaの歌が良かった位だ。

むしろ映画より、漫画「フリージア」をお薦めしたい。
特に、松本次郎の「ウェンディ」は最高だと思う。

隠密同心 大江戸捜査網

  • 2008.11.09 Sunday
  • 00:00
松尾昭典監督の映画
「隠密同心 大江戸捜査網(1979年)」を観た。
隠密同心 大江戸捜査網
テレビドラマシリーズの映画化で、
東京12チャンネル開局15周年記念作品。

実は高校生の時、昼間の再放送をかかさず
ビデオを撮って観ているほどのファンだった。
映画化されている事を偶然知ったので
早速、観ることに。

テレビとは違って、かなり過激な切り捨てシーンがある事と、
ストーリーに一度どんでん返しがあり、
時代劇にしては、ひねりがあることが
なるほど、差別化している。

秘密捜査員、隠密同心たちが探索の末、
悪を斬り捨てる痛快時代劇。

そして、待ってました、悪人を切り捨てに行くとき、
隠密同心がGメンのように並んで闊歩し、
「隠密同心心得の条」のナレーション。
「我が命我が物と思わず・・・・
 死して屍拾う者なし、死して屍拾う者なし」

久々にこのフレーズを聴き、
身震いしました、はい。

チャンバラシーンでは、恒例の音楽がかかり、
いよいよ、松方弘樹扮する清次郎が敵を追いつめ
斬りかかる

チャキーン・・・1太刀
チャキーン、チャキーン・・・2太刀
・・・・・・両者睨み合ったまま、しばし間合いが・・・
その時、敵の顔にブラックジャックのような血筋が1筋
・・・・・・・・・・・
「太刀筋が見えなかった」とつい呟いてしまった。

これです、これが日本の美学でしょう。
ブラボー!!

アンジェラ

  • 2008.11.08 Saturday
  • 03:57
リュック・ベッソン監督の映画
「アンジェラ(2005年)」を観た。
アンジェラ
6年ぶりのベッソンの作品ということで、
やや期待をしながら観てみた。

不器用で、何をやっても上手くいかないダメ男が
アンジェラという女性(天使)に出会い、
自分の内面を見つめ直し、本来の自分自身を認め、愛し、
再認識していくストーリー。

あえてモノクロにする事で映像を明確にしているところや
途中までのストーリーは、さずがベッソン。
最後のオチをかなり期待してしまい・・・
ラストで、「そうきましたか・・・」と言葉が漏れてしまった。
流れかけた涙が引きました。

序盤で、アンジェラの体にサモトラケのニケの像が重なって
暗に天使を演出しているところとか、
羽が空から降ってくるところ、
アンジェラ(angel・a)で天使を表現しているところなどは、
いい演出だと思う。
その上「レオン」「フィフスエレメント」に続いて、
監督自身の女の趣味が似ていた事も印象的だった。

単純にベッソン自身がこうありたいと願う話なのかも。

私の中のベッソンの作品は、
「サブウェイ」や「ニキータ」など、
昔の方が心に響いたな。

2046

  • 2008.11.07 Friday
  • 02:27
ウォン・カーウァイ監督の映画
「2046(2004年)」を観た。
2046
ついに観た。やっと観た。

正直残念。

今まで観なかった理由としては、
複線と言われているこの監督の
「花様年華」が素晴らしく良かったので、
イメージを壊されたくないと言うことが一番。

期待を裏切らず、あっさりイメージを壊してしまった。

ただ、映像美と構図、音楽はやはりこの監督らしく
かなり良かった。
「天使の涙」や「恋する惑星」の時と同じように
雰囲気モノの単なるおしゃれ映画で終わってしまった感じが強い。

とても残念だ。


太陽

  • 2008.11.06 Thursday
  • 02:14
アレクサンドル・ソクーロフ監督の映画
「太陽(2005年)」を観た。
太陽
昭和天皇を主人公にしたロシア人監督、ソクーロフの問題作。
終戦から神と崇められた昭和天皇が「人間宣言」をするまでの
苦悩と葛藤のストーリーだが、
かなり淡々と物語は進んでいく。

映像自体の色は、かなり乾いた色で、好きだ。
人物も建物も背景もすべて乾いた色であまり色味がない。
人の声も音楽もかすかな感じで血が通ってないみたいだった。
とにかく、空気感が非現実的というか夢みたいな変な感じだ。
イッセー尾形
見終わって解った事だが、
演技を鏡に映し、その鏡の映像をカメラが写しているらしい。
確かに映像自体、客観的だった。

私の中では、この映画に対して心に響くモノが
正直あまりなかった。(映像は別として)
天皇ヒロヒトの苦悩と葛藤が伝わってこない上に
ちょっとおかしな人に見えた。
ただ、変に外人が作った
日本映画的ではなかったことはいいと思う。

ソクーロフは嫌いじゃないけど、
とにかく、変で不思議な映画だった。







善き人のためのソナタ

  • 2008.11.04 Tuesday
  • 16:15
フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク監督の映画
「善き人のためのソナタ(2006年)」を観た。
善き人のためのソナタ
ヒューマンドラマで、おもいっきり泣いてみようと思い
観てみたが、
久しく出会わなかった、本当に味わい深く、
驚くほど良い映画だった。
見終わった後でも、イメージが心の奥深くに残り、
じんわり響いて、涙が出てきそうになる。

舞台はベルリンの壁崩壊直前の徹底した
監視国家の旧東ドイツ。
監視・拷問・盗聴・裏切り・・・
シュタージ(国家保安省)の局員である
冷徹で国家に対して忠実な主人公が、芸術家カップルを
盗聴、監視しながら次第に見守る立場になっていき、
人間性に目覚めていくストーリー

「この曲を本気で聴いた者は、悪人になれない」
「レーニンがベートーヴェンの“情熱ソナタ”を批判したのは、
これを聴くと革命の心が折れてしまうから」だと言う。
つまり、芸術は、心から人を癒す力がある。

そして、あのラストシーン。
エンドロールは、もちろん、
後から、後からじわじわと出てくる涙が止まらなかった。

本当に素晴らしい映画だ。

恐怖奇形人間

  • 2008.10.26 Sunday
  • 14:25
石井輝男監督の映画、
「恐怖奇形人間(1969年)」を観た。
恐怖奇形人間0
この映画を観るのは2度目だ。
かなりの年月が経っているにもかかわらず、
以前の感動が蘇った。
すごい、すごすぎる!
さすが石井輝男。半端ない。

シャム双生児、せむし男など生体改造人間、いわゆる
奇形人間の王国をつくり、そこに君臨しようと企てる
主人公の父。
この父親役の「土方巽」が圧倒的存在感で、
冒頭から観ている側もやられてしまう。

ストーリーは乱歩のいろいろな世界が全編にちりばめられ、
カルトムービーには珍しく、面白くわかりやすい。

この王国は、寺山修司の「田園に死す」を彷彿させ、
狂気に満ちていながら、
トッド・ブラウニング監督作品
「フリークス(1932年)」

カルト代表作の
アレハンドロ・ホドロフスキー監督作品
「エルトポ(1969年)」
のような
まじフリークスではなく、かなり強引につくられた改造人間。
エログロナンセンスこの上ないのに途中、
なんども笑いがでてくる。

そして、やはり何よりすごいのがエンディングの人間花火。
拍手喝采!ブラボー!!スタンディングオーべーションです。
是非機会があれば、多くの人に観て欲しい

この作品は日本映画の宝の一つでしょう。
そして私の中の乱歩映画では
丸山明宏主演の「黒蜥蜴」、「押し絵と旅する男」にならぶ
3TOP作品でしょう。
天晴れ!


乱歩

  • 2008.10.24 Friday
  • 01:33
人生の中で、何度か同じブームがおとずれることがある。

今のマイブームは、人生何度目かの「江戸川乱歩ブーム」
ふとしたことで、昔読んでいた小説が出てきて、
引き込まれるように最近読み出した。
乱歩の世界観にはいつも飲み込まれてしまう。
現実と小説の境目がわからなくなり、
本を読みながら風景が手にとるように頭の中で展開される。
非現実的なところか、病的なところか・・・
表現しにくいが、視覚とか感覚ではなく、
嗅覚に訴えかける魅力がある。

乱歩の中でも、私にとって特に名作と思っている映画
石井輝男監督作品「恐怖奇形人間」がある。

この作品は20歳位に単館映画館で観て、
かなりの衝撃を受け、記憶の片隅にずっと残っていた。
日本ではすでに絶版になっており、去年アメリカでDVDが
発売され(逆輸入)やっと買うに至り
本日ついにシカゴより着荷した。
恐怖奇形人間2
何年ぶりかの再会だ。
心の準備をして観ようと思う。



建築家の腹

  • 2008.10.03 Friday
  • 11:04
ピーターグリーナウェイ監督の映画、
「建築家の腹(1987年)」を観た。
建築家の腹


18世紀、伝説と言われながら一度も建てられた建物がない
特異な建築家ブーレ。
彼の展覧会をシカゴの建築家クラクライトが
開催するためにローマに来るところから物語は始まる・・・

徹底されたシンメトリーの構図、
非現実的な背景、奇妙な腹痛、
自らの腹に取り憑かれ狂気にさいなまれていく主人公、
明解な色使い・・・

いつも私の神経を逆撫でするこの監督の作品だが、
「ZOO」とこの作品はわかる!

終盤で「建築は自然の応用である。」という
フレーズが出る。
建築のみならず、すべてにおいて人の作り出すものは
自然の応用であると自負する私には
とても共感できる一言だった。
やはり、グリーナウェイあなどれない・・・

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